羽高ニュース
総合的な探究の時間(1学年) 環境事業講話
4月24日(木)6校時に環境省羽幌自然保護官(レンジャー)の市川様をお招きして、自然保護官の仕事や主に天売島における海鳥の現状について講話をいただきました。
環境省自然保護官の仕事は、繁殖地のモニタリングや海鳥の天敵に対する対策だけでなく、海鳥に関わる人々との協力を得て、啓発活動も行うなどの業務に関する説明がありました。次に天売島が多数の海鳥が繁殖する日本でも希少な繁殖地であり、春に交尾・繁殖、夏に雛の巣立ち、秋冬は南下して越冬し、春にまた天売に戻ってくるというライフサイクルがあるという説明がありました。海鳥の保護に関しては、森林の再生プロジェクトを、他団体の協力を得て行っているという報告がありました。
講演後、生徒から「天売島が焼尻島よりも海鳥が多いのはなぜか」という質問がありましたが、天売島の方が標高が高く、飛ぶことが得意ではない海鳥の雛にとって滞空時間が長く、より安全な繁殖に適しているためというお答えをいただきました。合わせて、高度の高い断崖に巣を作ることができ、天敵の侵入が焼尻島に比べ容易ではないという説明もありました。
また、「自然保護官としてのやりがいは何か」という質問には、鳥たちのライフサイクルに関わる喜びがあるというお答えをいただきました。
「オロロン鳥(ウミガラス)に注目が集まるのはなぜか」という質問に対しては、絶滅危惧種に指定されており、現在122羽まで回復しているとはいえ、何かあると一気に数を減らしかねない希少な個体群が人々の関心を引き、古くから「オロロン」の名称がつく名産品や地名などがあるからではないかとお答えをいただきました。
<講話の様子>